| 作品紹介『CHASE』 |
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| 【風景の発見】
ここでは建築は場を昇華させるための序曲であろうとする。 視線とそれを追うかたちの動線とのねじれた関係は空間のダイナミズムそのものであり、そこには視覚的な距離感にたよる遠近法を越えた風景の背理がそこにみえ隠れする。三角形をした敷地に建築は注意深く記譜されていく。 そして建築は場所の中で結晶化し、空虚なガラスキューブを挟んだ二棟のコンクリートボックスという形で現出した。それら全てはこの建築が「風景を見せること」そのことだけに腐心した結果、産み出されたといってもいいだろう。 来館者はアプローチから2階のサロンにたどり着くまで一度右へ向けた身体を迷路のような通路を経てふたたび左へ方向転換させられる。それは一度ガラス越しに見た中庭・外部風景を一旦遮断し、そして再び視界に入れることになる。 切り取られた風景・・・。来館者は現実の風景を建築というフィルターによって場所・時間を変えてフィードバックすることになり、ここで「風景の発見」がいかに重層的な意味をはらむかをみることができるのである。風景とはひとつの認識的な布置であり、「風景」の出現において我々は認識の布置そのものが変わってしまったことを見逃している。そしてその風景は遠近法を越え、心象にまで至るべきだろう。 遠近法のとらえる視覚的な風景、それとは明らかに次元の違うものであろうし、それを見出すことが我々に課せられた命題であると感じるのだ。 |
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